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「粋塾」公式ブログ

2018.12.15

逃亡ものがたり④ 最終回

先日までの長編…

逃亡物語の最終回を、ボスが書いてくれました!!

このボスとの会話から朱優がスイッチ入って

今は、あれだけ「辛かった」と話していた氷室建設の現場に戻ることを決めた。

最近の朱優は、朝から晩までめちゃくちゃご飯や間食を食べてるようです。

寮にも住んでるTさんが教えてくれたそうですが、それを知ったボスが

「朱優に体のスイッチが入ってるから、やっぱり心にスイッチ入ったって証拠だな。」

「朱優、これから身体大きくなるかもな。」

と言ってました。

研修先が氷室建設に変わってから食が細く食べるのも遅い子でしたが

最近は筋肉がついてきて、モリモリ食べてるから身体も変わるかもですね!

同い年の琉凱も1年でグングン身長伸びてるので、朱優の今後も楽しみです。

朱優は優しくて素直で真面目だから、イケメンになるだろうなぁ〜((* ´艸`))

元引きこもりの子って
根がいい子が多いので(その要素こそが引きこもりになる)みんなのこれからが楽しみです。

引き続き、みんの成長をお楽しみ下さい(p^ω^q)

 


(ボス氷室優の投稿)

 

“ 朱優 逃亡物語 最終回 “

今晩は
引きこもり ニート 不登校 アウトロー
自立支援施設 粋塾
氷室優です

まず
千葉から来ている 16歳の研修生
朱優

彼に何が起きたのか?
それがわからない人は
この①〜③を読んでください。

逃亡物語①
https://www.facebook.com/2209611732588410/posts/2241077439441839/

逃亡物語②
https://www.facebook.com/2209611732588410/posts/2242348515981398/

逃亡物語③
https://www.facebook.com/2209611732588410/posts/2242885919260991/

読んでもらった通り
結果的に朱優は
こっちに戻ってきて
朱優らしい 笑顔を取り戻すことが出来ました。

なぜその笑顔を取り戻す事が出来たのか?

大事な所はそこです。

一度ならまだしも
二度も逃亡した朱優

しかも一度目は
僕が家に居る朱優を連れ出し
2人で駅まで歩き

僕が切符を買っている間に逃げる

正直
そうなる事が頭の片隅にはありました
でも
朱優を信じたかった。

だからこそ
駅までの道のりもずっと背中を見せ
券売機の前でも
背中を見せ続けていました。

切符を買い振り返ると
朱優が持っていた手さげ袋だけが
ポツンと床に置いてある

周りを見渡しても 当然彼の姿はない

僕はまず トイレを見に行きました

もしかしたらトイレかも?

本当はあるわけないのはわかってた
わかってたけど
そうあって欲しかった。

結果は知っての通り

僕はトイレの中の最後の扉を開けた時
一気に身体が重くなった。

次の日は群馬で引っ張り出し
その限られた時間の中で出来る事

居ないのはわかっていても
歩いて30分位かかる朱優の家に
朱優の荷物を持って歩いて行きました。

その道中
自分の中で繰り返される疑問

“ 何の為に向かうのか? “

まるで
お遍路を歩いている時のように
自問自答の一歩一歩

家に着き
お母さんに謝り
そして
一つの頼みごとをしました。

“ 怒らずに話を聞いてあげてください “

あの時の僕に出来る精一杯

それがその言葉でした。

そして
記事にもあったように
ようやく朱優と2人で話す事が出来た

僕はわかってた

“ 朱優が何から逃げたいのか? “

それは
粋塾でも 僕でも 研修からでもない

あいつが戦っていた相手は

自分

弱い自分
格好悪い自分
逃げる自分

僕が迎えに行った時
あいつがお母さんに最後に言った言葉
それは

“ 僕はクズです “

朱優はもう
朱優の心のコップは
もういっぱいいっぱいでした。

だから僕は朱優に言いました。

“ 辛かったなぁ 苦しかっただろ? “

朱優は僕の前でずっと泣いてました。

僕は朱優に言いました

“ 俺は お前の気持ち痛いほどわかるよ “

“ 俺もな逃げた事あるんだぞ “
ってね

僕は中学時代
本当にクソみたいな人間でした。

連れのものを盗む
連れの金を盗む
連れに嘘をつく

など
ヤンチャしてきた人なら
わかる事

仲間を裏切る奴はクズ

僕は文字通り人間のクズでした。

僕は朱優に
その僕の過去を全て話をしました。

さっき書いた事も
さっき書いた事の結果
連れ連中にボコボコに殴られた事も
そしてそれからの3年間

地元の連れとは遊ぶ事が一度もなかった事も。

毎日毎日家に居るのが
心の奥底では凄く怖かった事も
自分に勇気がない事も
そんな自分が嫌で嫌で仕方なかった事も

全部話し
そしてそんな自分が変わるきっかけとなった話し

それは

僕はこう見えても若い時
バンドでボーカルをやってました。

そのライブの時
勇気を出して 連れ連中にチケットを配りました。

その当日
控え室でいつも以上に緊張して
暗転しているステージの上に立ち
照明がついた瞬間
今でも忘れません。

客席の一番奥に
連れたちがいた事を。

僕はしばらく下を向き
自分の感情を感じていました。

僕の人生は
その瞬間から始まりました。

僕はこの話を朱優にした後
すぐに電話をしました。

その相手は
中学からの連れ

その連れとの電話をスピーカーにして
僕は連れに言いました。

“ 今俺の横に 預かってる研修生がおふんだけど その子が自分の事をクソ野郎だと思ってるから お前から俺がどんだけクソだったか話したってくれ “

連れは
笑いながらも 僕のクソ伝説を話してくれました。

電話が終わり 僕は朱優に言いました

“ なっ クソだろ?格好悪いだろ? “

朱優は戸惑いながらも
うん。
と頷きました。

“ あのな朱優
俺も今話したようにさ
逃げたい自分
格好悪い自分
情けない自分がさ

今でも俺の中におるんだぞ

でもな
俺はそういう自分で生きる事が
どれだけ苦しいのかを知った

だから
そんな自分が嫌だから
一生懸命に生きて
今の自分になった。

今の俺からしたら
想像できなかっただろ? “

もうこの頃には
朱優の涙は止まって
顔も僕の方を向いていました。

僕はその朱優の心の状態を感じ
話を続けました

“ よく人はさ 過去と他人は変えれないって言うだろ?

でもさ朱優
よく考えろよ

俺は今 まさにお前の目の前で
クソみたいな俺の話を聞かせたよな?

もっと言うと
聞かせようとしたよな?

お前はさ
認めたくない自分を見つけて
凄く苦しんだだろ?

出来る事なら
そんな自分を消し去りたいと思っただろ?

あのさ
今俺は 俺のクソみたいな過去を
お前に隠そうとしたか?
してねーよな?

俺はお前に
俺のクソみたいな過去を知ってもらおうとしたよな?

わかるか?

大事な事はな
どんな自分か?って過去の事じゃなくて

こんな自分もいたしいる。ってさ
誰かに恥ずかしげも無く話せる事なんだぞ

お前は
俺の過去の話を聞いて 安心しただろ?

社長でも そんな時があったんだ
って思っただろ?

そう思うと
自分でも大丈夫かも?って感じただろ?

なっ
過去ってさ
起きた事実は変えれないけど

その事実をどう使うか?は
変えれるんだぞ

いいか?
お前は 今まさにその瞬間にいる

何度も逃げ出した自分をずっと引きずって生きるか?

それとも

そんな過去をいつか誰かの為に出来る様な生き方をするか?

お前は
どんな男になりたい? “

僕はそう朱優に話をしました。

僕の話を聞き
ほんの一呼吸ふた呼吸した後
2人で座っていたソファーから
いきなり朱優が立ち上がり

僕の目を見て言いました。

“ 卒業まで頑張るんで お願いします! “

僕は
立って朱優の目をずっと見てました

気を緩めたら涙が出そうな位嬉しかった

僕はその朱優に

“ わかった お前メチャクチャ格好良いな “

と伝え
その場を去りました。

それからの朱優は
前回までの記事を読んでもらえればわかると思います。

あいつらしいはにかんだ笑顔で
みんなに可愛がられながら
今日も一生懸命生きてます

あいつは今回

逃げるという事を知りました。

逃げた事が無い人には
絶対にわからない事

そして
振り子と一緒で

それが例えマイナス側だったとしても

大きく目一杯まで振れた

その分
これからは プラス側に一気に進むでしょう

人は
誰しも失敗もすれば 間違う事も
そして時には
嘘をついたり逃げたりもする

でも
大切な事は

その間違いに気付き
そんな自分を受け入れて
生きる

生き続ける事

山登りをスタートして
良いところまで行って 谷底まで転落し
そしてまた
山登りをスタートし始めた朱優

彼がこの粋塾という山を登りきった時

どれだけ格好良い男になっているか?

僕は楽しみでなりません。

朱優に限らず
研修生一人一人が
朱優の様なドラマを持って生きてます

そんな彼らを
そんな彼らと共に成長する粋塾を
これからも
どうか宜しくお願い致します。

皆さんの
いいね!やコメントや拡散が
未だに
引きこもりの子を持ち

どうすれば良いのかわからず
悩み苦しんでいる親御さんに届く
その助力となる事は
間違いありません。

以前
コメントにありました。

“ 指先一つで出来る応援って何ですか? “

まさに今書いた事です
これからも
皆さんの応援をお待ちしてます。

いつもありがとうございます。

粋塾 塾頭 氷室優

 

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