スタッフの武藤です。

ユウキの話は次回書きます。昨夜の相談電話です。

４０代の女性からの相談電話でした。開口一番「死にたいです」と話されました。話を聞くと、１０年前、福島県大熊町に住んでみえました。東日本大震災が起き、中学校の体育館に避難されました。その体育館は、数日後に息子の卒業式が行われる場所でした。

一夜明けると、白い防護服に身を包んだ人たちが来て、バスに乗るように指示されました。福島第一原発による避難です。それ以来大熊町を離れ、別の県に移られました。そのときのことは、彼女の心を患わせたようで、躁うつ病になってしまいました。

１０年が過ぎ、病気も快方に向かい、健康な状態を取り戻しつつあったようです。しかし、先日の福島県沖を震源とする地震があり、１０年前の嫌な経験が蘇ってしまい、よくなった病気もぶり返してしまいました。

やりきれなくなり、お酒を飲んだら「死にたい」と思ってしまい電話されました。いろいろと話されたら、すっきりされたようで「元気になりました」と話されました。

「３月１１日が近づいてくるが、テレビなどであの時のことを見ると、またおかしくなりそうなので、しばらくテレビを見ないようにします」と話されて電話を切られました。

１０年が過ぎて、道路や建物などの復興は進んでいるものの、心の復興はまだまだだと感じました。その女性は、「移り住んだ現在の地で周りの人たちがとてもよくしてくれるので、助かります。」とも話されていました。新たな地での人々の支えが、彼女の大きな力となっています。

一人ではないと感じられること、周りの人の支えが大事であることを改めて感じました。

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