「粋塾」公式ブログ
S その1
スタッフの武藤です。
昨年の12月25日に一人の研修生が入塾しました。中学3年生のSです。小学校の5年生のときにいじめにあい、それまでは登校できていましたが、そのことをきっかけに不登校になりました。不登校といっても、完全に登校しないのではなく、少しですが登校できていたようです。
Sと話していると、このいじめの件は担任も学校も分かっていながら何も対応してくれなかったようです。Sにとっては、大きな心の傷として残っています。このとき、きちんと対応していれば、Sの人生は別のものになったかもしれません。
中学校入学後も不登校気味でした。登校しても、体調が悪くなり保健室で休むことが多くありました。学校へはあまり行けなかったようです。中学校3年生の7月からは、まったく行かなくなりました。
中学校3年生の12月末に来て一番の問題は、中学校卒業後の進路でした。本人は、小さい時からギターをやっており、高校ではギターを学べるところへ進学したいと希望していました。しかし、学校へ行かなくなり、投げやりになり、粋塾に来る前には、その進路も諦めていました。
連れ出しに行ったスタッフによると、部屋へ入ったときのSと、粋塾に行くことを決め部屋を出るときのSでは、まったくの別人だったそうです。顔つきもまったく違ったそうです。
粋塾へ来てからは、一度諦めた進路をもう一度目指したいと思うようになりました。短い期間でしたが、進路実現に向けての頑張りを始めました。入試は、専願受験ということで作文のみでした。作文の練習を何度もしました。初めはまったく書けなかった作文も何度か繰り返すうちに、それらしく書けるようになりました。入試当日(受験は午後)も、午前中の限られた時間にも練習しました。Sから練習したいと言ってきたことです。その様子を見ながら、心底合格してほしいと
試験会場の高校まで送っていき、試験が終わるのを待っていました。試験後のSは、「作文は思い通りに書けた、練習の成果を発揮できた」と言って戻ってきました。
短い期間でしたが、自分の進路実現のために本当に努力したSの姿はとてもよいものでした。側にいて、応援したいと思えるくらいものでした。諦めていた自分の進路を自らの手でつかみ取ってくれればと本当に思いました。また、急な受験になったにもかかわらず、Sのために親身にやってもらった中学校にも感謝です。
数日後、届いた結果は「合格」でした。
(Sのことをもう少し書きたいと思います。次回以降に続く予定です。)
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